ネットの普及により、必要な情報を手に入れるのは簡単になりましたが、
介護に関わることは、一人ひとりの健康状態や生活状態によって異なります。
行政の相談窓口や地域包括支援センターなどを積極的に活用しましょう。
マサ子
「介護保険のこと、少しは詳しくなれたように思います。そこで、たまみ先生に相談したいことがあるのですが…」
たまみ先生
「ええ、どうぞ。」
マサ子
「私の友人なんですが、75歳のお父さんがおられ、1年ほど前から首と腰と膝に痛みを感じるようになったそうです。最近はトイレやお風呂で立ち上がるのもきついということなのですが、そんな状態でも介護保険サービスを使うことはできるのでしょうか。以前に、病気もなく痛みだけなら、介護保険サービスは受けられないと聞いたことがあるので、私もうまくアドバイスできなくて…。」
たまみ先生
「65歳以上の方で、病気や加齢で日常生活に支障をきたす状態の場合、介護保険サービスを利用できる可能性はあります。躊躇されることなんてありません。ご友人は介護保険の認定申請はお分かりでしょうか?」
マサ子
「それはネットで調べており、知っているようです。市区町村の高齢福祉課に行けばいいのですよね?」
たまみ先生
「そうですね。ところで、そのお父様は、ひとり暮らしですか?」
マサ子
「いいえ、娘である友人と一緒に暮らしています。お母様はすでに亡くなっていますので、2人暮らしですね。」
たまみ先生
「では、現在は、ご友人がお父様のお世話をされているのですね。」
マサ子
「ええ。でも、彼女の仕事が販売業で、帰りが常に夜9時くらいになり、お父様のひとりの時間が多いことが不安だと言っていました。ひとりの時にトイレやお風呂でケガをしないか、とても心配なので、手すりをつけるなどのリフォーム工事を考えているようです。」
たまみ先生
「介護保険に住宅改修費の支給というサービスがあります。手すりの取り付けや段差の解消など、在宅での生活に支障がないように住宅を改修した費用について、その9割分を支給するというサービスです。」(※)
マサ子
「そうなんですか? 知りませんでした。工事してから申請してもいいのですか?」
たまみ先生
「いいえ。介護保険の認定を受けてからで、かつ、工事の着工前に申請の必要があります。そのことも含めて、まずは介護保険の認定申請を早急になさってください。」
マサ子
「わかりました。早速、友人に伝えます。ありがとうございました。」
(※)住宅改修費の支給について
要介護者等が、自宅に手すりを取り付けるなどの住宅改修を行おうとする時は、必要な書類(住宅改修が必要な理由書等)を添えて、申請書を提出し、工事完成後、領収書等の費用発生の事実がわかる書類等を提出することにより、実際の住宅改修費の9割相当額が支給されます。なお、支給額は、支給限度基準額(20万円)の9割・18万円が上限となります。