最近、東京都心ではわずか3畳のアパートが人気だそうです。
車も含めて、あまり物を持ちたがらない若者にとっては、郊外の広い住まいよりも、都心の極狭物件の方が通勤にも便利で、その分時間を有効に使えるとのこと。
今回はそんな若者たちの住宅傾向についてご紹介します。
若者たちの住宅についての意識
国土交通省が年ごとにテーマを変えて発表する「土地白書」。
その平成25年版によると、住居に対する国民の意識調査で「土地・建物は両方所有したい」と持ち家を希望する回答が79.8%と、12年ぶりに8割を切りました。
一方、「借家(賃貸住宅)でも構わない」が12.5%と過去最高となり、所有にこだわらない風潮が広がっていることが明らかとなりました。
白書は、持ち家率の低下が若者の新たな居住スタイルの模索につながっていることも明らかにしました。
その一つが「東京回帰」。
「近い将来住みたい街」や「老後に住みたい場所」として、東京圏1都3県を挙げた若者が、中高年世代より高い割合を示したのです。
若者の実際の居住地が、こうした志向を裏付けています。
21世紀の若者は、過去の若者たちのように郊外や近隣県に広い間取りを求めて引っ越すのではなく、都心を含めた23区にとどまり続けているのです。
住宅を所有する必要がないと思う理由
- 多額のローンを抱えたくない
- 維持や管理のわずらわしさがないから
- 家族の状況の変化に合わせて自由に住み替えたいから
なぜ狭小アパートが人気に?
白書は東京・大阪・名古屋の三大都市圏に住む若者の通勤・通学手段を調査していますが、これまでの自動車中心から、鉄道やバスへのシフトが進みつつあります。
また、若者の間では自転車利用も一種の流行となっています。
休日の外出先についてみると、居住地周辺の中心商店街や、片道1時間未満のいわゆる「近場」で済ませている人の割合が高くなっています。
極めて都市型で、行動範囲がコンパクトな生活スタイルが広がっているのです。
また、シェア文化が浸透し所有物が少ないため、収納スペースは最小限で良く、スマホやタブレットで動画が見られればテレビも不要。本も電子書籍で読むので本棚も買う必要なし。
食事はコンビニや「Uber Eats」などの宅配で済ませ、洗濯も週に数回のコインランドリーで十分。
「生活の分散化」が当たり前になった世代は自宅に大きな家具は必要なく、居室も3畳で十分なのだといいます。
まとめ
職場や学校への近さと家賃の安さを両立させたい若者の需要に応えている、狭小アパート。
自分のライフスタイルに合った住宅をその都度変える時代が来ているようです。